手がけたのは日産と三菱が2011年に立ち上げた「NMKV(Nissan Mitsubishi Kei Vehicle)」という合弁会社。NMKVには両社から要員が送られ、協力して企画、開発。

先代モデルは、当時の日産に軽自動車開発のノウハウがなかったこともあり三菱側が主導したが、今回は立場が逆転して日産主導の開発となった。日産主導にしたいちばんの理由は「プロパイロット」を搭載する為。プロパイロットは、先行車との車間を一定に保つアダプティブクルーズコントロールと、車線内を維持するステアリングアシストを組み合わせたもの。N-BOXの「ホンダセンシング」にも同様の機能が備わっているが、渋滞時に完全停止した状態からの再スタートに対応しているのがプロパイロットのアドバンテージだ

プロパイロットはアクセル、ブレーキ、ステアリングなどを統合制御するため、制御用コンピュータやカメラ、センサー、それらを繋ぐ車内通信システムが日産車に最適化。

そんなユーザーニーズに応えるべく、デイズには13種類の単色と、4種類の2トーンの合計17色が用意されている。ekを合わせればさらに色数は増える。しかも驚いたのが2トーンの配色。4種類すべてルーフの色が違うのだ。白、黒以外のルーフカラーを設定した軽自動車はデイズが初。プレミアムカーなら話はわかるが、コストの制約が厳しい軽自動車でこれほどの色数を揃えるのは異例。

ボディカラーとともに日産のこだわりを伝えてくるのが「品質感」だ。ボディサイドを走るクッキリしたプレスライン、シャープな表情のヘッドライト、タイヤとフェンダーのすき間の小ささ、軽自動車としては珍しいセンターマウントのナンバープレートなど、見栄え品質は軽自動車としてはトップクラス。初期受注では5割以上がハイウェイスター。

インテリアは、中央に4.2インチTFT液晶をレイアウトしたメーターパネル、高い視認性に加え、透明のメーターリングをあしらうなどデザインや作り込みも上々。市販のハンドルカバーを装着している人が多いという調査データから丸形を採用したとのこと

運転席周りの小物入れの少なさが指摘されていた先代の反省から、目指したのはクラストップの収納性。

室内スペースはクラストップ。とくに後席のスライドをリアモストにセットした際の広さはリムジン並み。完全フラットな床面も気持ちいいし、サイドウィンドウの内側への倒れ込みが小さいから、頭回りも広々している。荷物が多いときは後席をワンタッチでスライドさせることも可能で、さらに床下には54Lのサブトランクを備える。N-BOXやスペーシアといったスーパーハイト系の人気が高まっているが、スライドドアが欲しいとか、自転車を積むとか、そういった特別なこだわりがなければ、これでなんの不足があるの? というほどの広さだ。

先代デイズは静粛性も、乗り心地も、動力性能も誉められたものではなかった。軽自動車なのだからこんなものでいいだろう、という割り切りをしたものの、他社が想像以上に性能を上げてきたため、相対的に競争力が弱くなってしまった。そんな反省を踏まえ、走行性能をグンと高めてきたのも新型デイズのトピック。新設計のエンジンは、自然吸気版のトルクを全域でアップ。ターボ版もより低い回転域からフラットなトルクを発揮する特性になった。

組み合わせるCVTには4800rpm以上の領域でATのような変速をするステップ制御を導入。常用域ではCVTのメリットであるスムースさを、フル加速時にはATのようなメリハリのある加速フィールを味わえる。静粛性も高い。エンジン音もさることながら、印象的だったのがタイヤノイズや車外騒音の抑え込み。ドアを開けてみてなるほどと思った。さすがに全周ではないものの、上半分がダブルシール構造になっている。このあたりにも、軽自動車らしからぬ贅沢ぶりが表れている。

試乗したハイウェイスターの自然吸気とターボには「スマートシンプルハイブリッド」と呼ばれる簡易型ハイブリッドが搭載されている。モーター出力はわずか2kWだからフルハイブリッドのようなモーターアシスト感には乏しく、燃費改善効果もわずかだが、アイドルストップからのスムースな再始動は大きな魅力だ。

動力性能は、街中メインなら自然吸気でも必要にして十分だ。ただしロングドライブに行く機会が多いなら、オススメはより余裕のあるターボ。強力なトルクとプロパイロットの組み合わせは、軽自動車の常識を覆す快適なロングドライブを約束してくれる。

足回りのセッティングは自然吸気もターボも基本的に共通だが、タイヤサイズは自然吸気が14インチでターボが15インチ。荒れた路面での乗り心地は意外にも自然吸気のほうがやや固めで、ターボのほうがしっとりしていた。両車とも市街地での身のこなしは適度にキビキビしているし、高速走行時の安定性にも不満は感じなかった。

新型デイズは日産が初めて開発した軽自動車だが、その性能や見栄え品質には従来の軽自動車の枠を超えるものがあった。とりわけインテリアの質感はマーチはもちろん、ノートさえ凌ぐレベルに達している。経済性で選ぶクルマからデザインや質感で選ぶクルマに。新型デイズが表現しているのは、エコでお洒落なライフスタイルカーという新時代の軽自動車像だ。

【 ハイウェイスターGターボ プロパイロットエディション 】
全長×全幅×全高=3395×1475×1640mm
ホイールベース=2495mm
駆動方式=FF
エンジン=660cc直列3気筒インタークーラーターボ
最高出力=64ps(47kW)/5600rpm
最大トルク=100Nm(10.2kg-m)/2400-4000rpm
トランスミッション=CVT
JC08モード燃費=25.2km/L
WLTCモード燃費=19.2km/L
車両本体価格(消費税込)=164万7000円

【 ハイウェイスターX プロパイロットエディション 】
全長×全幅×全高=3395×1475×1640mm
ホイールベース=2495mm
駆動方式=FF
エンジン=660cc直列3気筒
最高出力=52ps(38kW)/6400rpm
最大トルク=60Nm(6.1kg-m)/3600rpm
トランスミッション=CVT
JC08モード燃費=28.6km/L
WLTCモード燃費=21.2km/L
車両本体価格(消費税込)=156万7080円

カテゴリー: 日産

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です